読んだきっかけ

家で読んでいた新聞の本の紹介欄で見たのがきっかけでした。

私は大の犬好きで、あらすじを読み是非読んでみたい、どんな犬なんだろうと思い書店で取り寄せました。

それが、今泉文彦さんの「あした会えるさ―忠犬タローものがたり」です。

 

 

本を読んだ感想

昔から犬という動物は、「待つ」生き物と言われています。

昔のハチ公など多くの忠犬の物語が綴られています。

ここに出てきた「コロ」という犬は、幼稚園へ 通う少女を駅まで見送り、うっかりその電車のドアが閉まって一緒に乗ってしまい、道に迷いながらも毎日送っていく駅まで辿りつきました。

住んでいた家には 戻れませんでしたが、途中の小学校で飼われて毎朝、毎夕、駅までトボトボ歩いて少女に会えるのを待っていたのです。

でも13歳で亡くなるまで、その少女に出会うことはかないませんでしたが、夕方の駅からの帰り道、コロは個々の中で「あすは会える」と信じていたと思います。

昭和の時代でしたが、コロが出会えた学校の校長先生、児童、駅近くの商店の人達、駅員さんに可愛がられて、ずっと10年以上も少女に遭いたい一心で、駅への道を往復していたと思います。

今の時代なら野良犬とされ捕獲、処分されてしまうところですが、その当時のコロの周りの人たちの心の温かさと「命」を大切 にする気持ちに心を揺さぶられました。

ちょっとしたことから、離れ離れになってしまった少女とコロ、少女はすっかりおとなになってしまったけれど、コロはずっと別れてしまったあの時のままの純粋な気持ちを持ち続けて、毎日毎日駅への往復を繰り返す日々。

その姿は、哀れと受け止める人もいますが、コロは「きっとあすは会えるさ」と思い「待つこと」がコロにとっての幸せだったのだと思います。

せちがない現代のほんの一時でしたが、読んで涙が止まらず、忘れかけていた純粋な心を思い出させてくれました。

 

 

今回の紹介本

今泉文彦「あした会えるさ―忠犬タローものがたり」

あした会えるさ―忠犬タローものがたり

あした会えるさ―忠犬タローものがたり

  • 作者:今泉 文彦
  • 出版社:茨城新聞社
  • 発売日: 2012-01-25