読んだきっかけ

2006年に映画化された作品ですが、その時には興味がなく、何年か経った後に、本屋で見つけて買って読んでみました。

1990年に芥川賞受賞した小川洋子さんの作品です。

本を読んだ感想

家政婦の女性と、その息子、女性が家政婦として世話をする元・数学教授、3人の交流を書いた心温まる本です。

元・数学教授(「博士」)は、交通事故にあって以降、記憶が80分しか保てなくなっていて、家政婦の女性(「私」)が現れるたび初めての人に会うように1 から説明しなくてはいけません。

けれど、そんな「博士」とのやりとりを「私」が嫌がっていないのが伝わってきて、まずそこに、ほっとします。

記憶喪失などの、病気を取り扱った作品は、悲惨さが目立ってしまって、大抵の場合、読むと苦しいですが、この本の場合は、やさしい愛情に包まれていて、素直に感動を覚えます。

また、「博士」は、数学教授だった時の知識は失っていなく、数学的に物事を見るのですが、その数学の話も面白くて数学を通した交流をすることによって伝わってくる愛を感じます。

「私」の息子の頭が平らだからルート記号のようだと「ルート」と名付けて、普通は職場に連れて来てはいけないのに、とてもかわいがってくれたり、「私」の 誕生日の数字と「博士」の持っている腕時計の裏に書かれた数字が親密な関係にある数字「友愛数」であることなどを教えてくれます。

「友愛数」がどんなものかなど、数学については実際に本を読んでみてください。

数学が苦手な人でも、心がほころびます。

 

今回の紹介本

博士の愛した数式

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

  • 作者:小川 洋子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2005-11-26