読んだきっかけ

『絶対安全剃刀』でデビューした作者、高野文子さんが好きなのでこの本が出たと知った時にはすぐに買いました。

雑誌に載ったときから評判は聞いていましたので即この「黄色い本」を購入しました。

本を読んだ感想

主人公、田家実地子は長編小説『チボー家の人々』を学校の図書室で借りて、ずっと読み続けます。

これは実地子がこの本を読み、本の世界に浸り、本の登場人物と会話し・・というそれだけの物語です。

場所は新潟かな?母の手伝いで料理をしたり小さな従妹と遊んでやったり、おばちゃんに頼まれて編み機でセーターを編んだり・・そんな地に足の着いた、真面目な日常の中でも、実地子の空想が羽ばたいていくところが素敵です。

好きな場面は、服買うてきますと出かけて小花の柄のネグリジェを買ってきたというところ。
たまにはおしゃれをしてほしいと思っているお母さんは呆れていましたが、わかるな~実地子の夢の世界はやはり夜もっとも輝くのです。

夜、素敵なネグリジェを着て、ジャックたち(本の登場人物)と討論をする実地子のなんとイキイキしていることか。

実地子が夢中になっているのを見ていたお父さん、「その本買うか?」「注文せば良いんだ」と言ってくれるのがじーんときますね。

実地子はいらないと言っていますが・・。実地子は高校卒業後はメリヤス工場(!)に就職するようです。

これからも地に足の着いた生活をすることでしょう。
でも、本の世界も現実の世界と同様に大切にしていくことでしょう。

読書が好きな人なら、一度はこんな読書体験をしたことがあると思います。
2度3度4度読むたびに深い感動を感じる素晴らしいコミックです。

あの時は意識してなかったけれど、こんな感じだったなあ・・。幸せだったなあ・・。

あの日々をよく作品にしてくれたなと作者に感謝してしまう、おすすめの漫画です。

 

 

今回の紹介本

高野文子「黄色い本」