読んだきっかけ

高校生の頃にたまたま読んだ本で、作家でもミュージシャンでもある町田康の「土間の四十八滝」が紹介されていました。

それを読んで衝撃を受けて以来ずっとこの著者のファンです。

「告白」を読んだ感想

町田康の書く文章は他の誰とも似ていない、独特の文体で一度はまると抜け出せないほどの魅力を持っています。

独特の言い回しや単語の組み合わせ、言葉の選び方等どこを読んでも無駄がない秀逸な文章です。
そんな文章で書かれた本書は、実際に起こった大量殺人事件「河内十人斬り」をテーマにしています。

850ページもある大作を一気に読ませられました。

主人公熊太郎の思考・苦痛・苦悶が、脳に突き刺さり目を離すことが出来ません。

熊太郎のもがき苦しむ様子が、まるで自分の事のように感じられ思わず涙してしまいます。

そうかと思えばプッと吹き出すような一言も書かれていたりします。
特に冒頭での著者から熊太郎へのつっこみには、読んだ人全員が意表を突かれ笑ってしまうんじゃないかと思います。

熊太郎が生まれてから事件を起こしてしまったその後まで、心理描写が非常に繊細に描かれています。
最も心をえぐられた言葉は熊太郎自殺前の一言です。

一行一行丁寧に描かれた熊太郎の心理。そのラストの熊太郎の発した一言。
読んだ瞬間、全身に鳥肌が立ちました。

3回も繰り返し読んだ本ですが、感想を書いているうちにまた読み返したくなってきました。

とても魅力的な一冊です。

 

今回の紹介本

町田康「告白」