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勝手に彼と同棲をしたくて家を出た私に、帰ってくるなと口癖のように言っていた母。

そんな母が一度だけ帰っておいでと言ってくれた。

だからこそ、今の私があるはなしです。

19歳で家を飛び出した私

19歳のころ、当時付き合っていた彼のことが大好きでまわりがみえなくなっていたころの話です。

毎日、その彼といたかった私は19歳で家をとびだしました。
親には「彼と同棲するから」とだけ言って家を勝手にでてしまいました。

父親も母親も「家をでる ことは許さない」と止められたのですが、その当時は同棲を許してくれないことと彼を悪くいうことにたいして嫌な親という感情しか持っていませんでした。

 

彼氏と同棲を始める

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最初の半年は、毎日彼といれることが楽しくて、父親からの電話も無視をしていたり母親からのメールも返信しなかったりしました。

慣れない土地で就職もして、 彼と毎日楽しい日々をすごして自分は一人前になった気持ちでいました。

最初の頃こそ、家をでることは許さないと言っていた母でしたが次第に電話はするようになり、「自分で勝手にでたのだから絶対に帰ってこないでよ。」という言葉がいつも電話をきるときの口癖でした。

とくに仲が悪かったわけでもなく、料理で聞きたいことがあったりしたら母にすぐに聞くようなそんな仲でした。

仕事の相談もよくのってくれてまるで友達のように愚痴も言いました。

彼が家事を手伝ってくれないと私が彼の愚痴をこぼせば、「あんたのお父さんも仕事しかしないんだよ」と父の愚痴を話してお互いに笑い合っていました。働いて仕事から帰ってからの家事の大変さも知りました。

家をでて気づきましたが、私の食卓はいつも惣菜なんてでなかったのです。

実家にいたときは気付かなかったけれどそのことがどんなに大変なのかわかりました。
母の大きな愛を家をでてから知りました。

何を言っても泣いても笑っても愚痴をこぼしても、一度も母は「帰っておいで」とはいわず、

「帰ってこないでよ。勝手にでたんだから」
いつだってこの言葉でした。

初めて掛けてくれた母の言葉

そんなある日、彼が車を勝手に買ってきてしまったのです。
もちろん、そんなお金払う余裕はありません。

あっとゆうまに、私と彼氏の借金になってしまいました。

もうどうしようもなくなって、母に「お金使われちゃった。もう光熱費止まっちゃうよ」と弱音をはきました。

いつもなら頑張りなという母が一度だけ「もう帰っておいで」といったのです。

帰っておいでと言ったのは後にも先にもこのときだけです。

この言葉に、私は一人なみだがあふれたことを今でも覚えています。

でも、だからこそ帰らなかった。こんな私で帰りたくなかったのです。

母の帰っておい でと言う言葉に目がさめた私は、彼とちゃんと話し合って借金を返してもらいました。

あの時の母の『帰っておいで』という言葉があったからこそ、今もこうやって離れて生活 できるだけの力がついたのだと思っています。