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学生時代、憧れだったケーキ屋でバイトすることに。

パテシエは正に「能ある鷹は爪を隠す」タイプ。メディアに出るのが苦手なだけで、海外で数々の有名な賞を受賞されていた方だったのです。

そんな一流パテシエが教えてくれたことをご紹介したいと思います。

 

大学生時代にケーキ屋でアルバイト

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憧れのケーキ屋でのアルバイトがスタート始まり、私はウキウキしていました。大好きなケーキに囲まれて、シェフの仕事も間近で見ることができ、お金までもらえるなんて。

パテシエと仕事の合間に話す、ケーキ談義が楽しくて仕方ありませんでした。

私の主な仕事内容は、ケーキの販売とイートインスペースのサービス全般でした。
その合間に、焼菓子を詰めたり商品のラッピングをしたりしていました。その作業内容が日々異なるのも楽しみの一つでした。

 

あるパテシエの一言

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バイトを始めてから1ヶ月が経った頃のことです。

パテシエが作業中に「だいたい1時間でいくつできた?」と聞いてきました。「だいたい○個ですね」と答えると、了解といった感でキッチンに戻っていきました。

数日後、同じことを聞かれました。

また同じように答えたら「前は○個と言ってたよね?毎日似たような作業なら、同じ時間で今日は昨日より1つ多く、明日はもう1つ多く…という気持ちでやっていけばより仕事のスピードが上がるよ」。

怒られたわけでもなく、いつも通りのやさしい口調で言われたことがさらに言葉に重みを増しました。

こういった考え方をするからこそ一流なのだなぁと。

所詮アルバイト、そしてルーティンワーク、とどこかで思っていた自分が情けなくなりました。

パテシエがこのことを話してくださったのも、私に期待してくれている⁈からだろうと勝手に意気込み、単純作業もより真面目に取り組むようにしました。

その姿を見てからなのか、「やる気があるなら、ちょっとキッチン作業もやってみる?」と声をかけてくれました。

販売だけだと思っていたのでもう嬉しくて、手が空いた時には簡単な作業をやらせてもらいました。

 

人生の教訓となったパテシエからの叱咤

大学生だったので、テスト期間でしばらくバイトを休んで久々に働いた時のこと。

作業する手元が下手になっている、と指摘を受けました。

「勉強で忙しかったですからね〜もう販売だけに戻りますかね」と冗談ぽく言うと、シェフが
これまでにない強い口調で言いました。

「自分でやると決めたのなら、ちゃんとやりなさい」と。キッチンがシーンとなるほどでした。

確かに、私にとっては趣味が高じてのアルバイトですが、シェフにとっては生活のかかった仕事です。バイトに教えるより自分がやった方が楽な作業をわざわざ教えてくれていたのにと、情けなくなってしまいました。

自分なりにきちんと謝り、納得いくまで続けました。

卒業するまで約3年をそこで過ごした時間は、大変貴重なものでした。

その後仕事をする上で、シェフの教えは大いに役立ちました。

まだ付き合いのあるシェフには恥ずかしくて言えませんが、私にとっては一流すぎる永遠の上司です。