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気がつくともう中学生の頃から父親とは口をきいていませんでした。

父親は仕事が忙しく子どものしつけは普段から母親任せ、よくある親子関係です。

そんな私が無職で新しい仕事を探していた時の笑える、そして後から父親の愛情を感じた一言を紹介します。

 

就活している私と父親

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あれはきつい仕事を辞めて就活をしている頃でした。

父親は働き者のパン職人です。なので無職で家にいることなど許しません。

ハローワークにもきちんと行って相談したり面接に行ったりしてもなかなか決まらない状態の私に、父親は毎日頭ごなしに怒鳴りつけていました。

本人が一番危機感を持って不安で押しつぶされそうな時に毎日朝からすごい剣幕で「働け働け」と。辛くても無職なので家も出られなかったし、父親と顔を合わせないようにびくびくと過ごしていました。

 

父親に相談

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ある時発想を変えて私から父親に悩みを相談してみたら父親の態度が変わるかと思いました。

ずっと話をしてない上に今は怒鳴られているのでかなり勇気のいる事でしたが、今の状況と気持ちをきちんと話しました。

その時、偶然見つけた未経験の仕事「歯科助手」を応募しようか悩んでいることも思い切って相談してみました。

一通り話終えると父親は「そうか」と相変わらず無口です。

表情からはくみ取れないのですがいつもの怒鳴っている顔ではなく苦悩している顔というか、私の悩みを共有してくれている表情に見えました。

結局「そうか」だけだったので部屋に戻ったのですが、とりあえずは今の気持ちを分かってもらえたとして、明日からの父親の態度が少し楽しみになりました。

 

後になって気づいた父親の愛情

翌朝、あいかわらず「仕事へ行け」と騒いでいます。

だから行きたくても仕事決まってないし、昨日あれだけ話したのに…と落胆していると父親が私のそばにやってきて一言。

「どんな口が来るかわからないから歯医者はやめろ!」でした。

「ん?」

つまり歯科助手はやめた方がいいというアドバイスですよね。

どんな口が来るかというフレーズに思わず爆笑してしまいました。何も考えずに応募してみようとしていましたが、確かに潔癖症の私、歯磨きしていない口が来たら辛いですし血液が苦手で見てしまうとよく倒れていました。

普段興味なさそうで意外と私のことをわかってくれているのだと嬉しくなりました。

その時は思わぬセリフに笑ってしまい兄弟とこの話で盛り上がってしまいましたが、よく考えると忙しい父親が私の仕事のことを毎日心配してくれて、なおかつ性格まで知っているからこそのアドバイスまでくれたのかと感動して涙が出たのを覚えています。

他人からすればなんでもないことも、私にとってはずっと交流を持っていなかった父親の愛情を感じた出来事だったので、父親なき今となっては大切な思い出です。