読んだきっかけ

学校図書司書という仕事柄、子供たちに薦める本を探していて見つけた恩田陸さんの小説本です。

さわやかな内容なので学生や青春を感じたい中高年にもおすすめです。

 

本を読んだ感想

朝8時から翌朝8時までの24時間歩き続ける『歩行祭』 高校生活最後の思い出作りとなる学校行事です。
甲田貴子はこの歩行祭に一つの決意をしていた。
それは同級生の男子、融(とおる)と『言葉を交わす』というもの。

はて?

同じクラスの男子と言葉を交わすことがそれほど難しいことなのだろうか。

実はこの二人、母親の違う兄妹です。
その事実を知ったのはもっと幼いころだったのだが、初めてすれ違って以来、融の人を刺すような視線にずっと尻込みをしていた貴子。
周囲の誤解や邪魔もあってなかなか最初の一歩が踏み出せないでいた。
実は融もまた同じ思いを『自分では自覚していないが』持っていた。

二人の思いを感じ取っていた学校一の才女榊杏奈は、自身がアメリカに渡ることになり、その前に歩行祭に向けて『おまじない』をかける。
果たしてそのおまじないは一年後の歩行祭に見事に発動するのだろうか?

物語は貴子側、融側の両面から進んで行きます。
どちらの側に肩入れしても甘酸っぱい学生時代の思い出が心に沁みだしてくる名著だと思います。

着地自体はちょっとソフトランディングすぎるかな? という印象でしたが、久しぶりに『青春』を感じさせてくれる読後感の爽やかな作品でした。

 

今回の紹介本

恩田陸「夜のピクニック」

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

  • 作者:恩田 陸
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2006-09-07